2024/04/13
防災・危機管理ニュース
国土交通省は、災害時に空港で避難者をスムーズに受け入れられるよう、空港管理者向けの事業継続計画(BCP)策定のガイドラインを6月ごろ改定する。能登半島地震の経験も踏まえ、空港周辺地域から避難者を受け入れる際の具体的な対応策を示す。これとは別に、防災ヘリコプターの着陸調整など災害時の空港運用について、国の支援も強化する。
能登地震発生後、能登空港(石川県輪島市)には利用者や地域住民ら約500人が、建物内や駐車場の車中に避難した。新ガイドラインでは、こうした避難者のために必要なスペースの算出方法を示し、受け入れ可能な人数を正確に把握するよう求める。
空港管理者と周辺自治体が、避難時の役割分担や費用負担、避難期間について事前にルールを定める取り組みも促す。
ガイドラインではこのほか、災害時に空港管理者が設置する対策本部をオンラインで開催できることを明確化。現在、復旧の目標時間は発災後72時間としているが、能登地震では約1カ月かかった点も考慮し、被害想定や復旧作業を踏まえた現実的な目標を認める形に改める。
現行のガイドラインは、2018年の台風で関西国際空港に浸水被害が出たことなどを契機に20年に策定。今回が初の改定となる。
同省は、災害時に本省や地方航空局から送り出す「緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)」を通じた支援も拡充する。
能登地震では、救援のヘリなどを受け入れるため、空港の運用時間の延長や着陸場所の調整を担う人員が不足した。派遣隊はこれまで復旧の技術指導をしてきたが、今後は空港の運用面の支援も強化。派遣元の対象を地方航空局以外にも増やし、体制を手厚くする。
(ニュース提供元:時事通信社)
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